バイクパッキング装備のロードバイクで日本一周したら24日間で走り切った話 第7話 佐多岬到達と交流多き1日

乗る系 自転車

バイクパッキング装備のロードバイクで日本一周したら24日間で走り切った話 第7話 佐多岬到達と交流多き1日

 出発から7日目。この日は、本土最南端に到達する、1つの節目の日である。いよいよ日本縦断のスタートだ。

朝飯前!(ではなかった)

 佐多岬まで残り35kmほどの地点にて、日の出と共に起床。スタート地点は目前に迫っていた。テントを畳み、出発の準備をする。この日は朝からキツい状態であった。補給食がそこをついていたのだ。現在地は大隅半島の中間地点。道沿いにコンビニなどあるはずなかった。あるとすれば、鹿児島湾沿いの国道269号まで下らなければならない。だが、自分ルールがこれを許さない。「佐多岬への行きは太平洋側、帰りは鹿児島湾側を通る」と決めていたのだ。お腹は空いていたが、ハンガーノックになるほどではなかった。エネルギー切れにならぬよう、低出力で進んだ。

 コンビニに行くことは諦めたが、何か食べたいという気持ちは残っていた。GoogleMapでスーパーマーケットを検索する。自分ルールの条件を満たす結果は1件のみだった。しかも「〇〇商店」。やっていない可能性が大いにある。食に有りつける可能性は低いものの、代替案があるわけでもない。とりあえず、その商店を目指して走った。

 商店手前2km地点。ゴロゴロゴロゴロと空が鳴る。雷の音である。「変だ。今日は曇り予報では?」と思いつつ、雨雲レーダーをチェック。ゲリラ豪雨的な勢力の雨雲が近づいていた。幸い商店はすぐそこ。急いで進む。突き当りで地図を確認し、最短距離の道へ進む。降りた先が集落だ。

 ここで最短距離を選んだのが間違いであった。廃道(?)になった道に入ってしまった。坂道を登り返す元気はない。一方、道が過酷になるに連れ、雨脚も強くなる。

 焦る一方、初めての光景に好奇心が掻き立てられた。長袖長ズボンを着用、頭には洗濯ネットを被り、肌の露出を限りなく制限した。自転車を担ぎ、前に進む。世の中にはこういったとんでもない道が存在する。300mほどの険道。距離では短いが「俺、冒険してるな!!」と心の底から思えた瞬間であった。

 険道を抜け、商店に到着する。35kmなんて朝飯前だろ!と飛び出したものの、かなり過酷な35kmとなった。

追記

 廃道の近辺について詳細を記す。ストリートビューは、T字路手前の青看である。左折すると目的の集落との案内がある。

 緑のマーカが上記のストリートビューのポイントである。左折ならば、赤のルートを選ぶのが自然ではないだろうか?笑 GoogleMap上でも「鹿屋五平佐田線」の文字が表記されている。しかし、このルートがあの険道なのだ… おそらく橙で示したルートが正解。ってか、そもそもT字路じゃないじゃないか!笑

地元の方との交流①

入店すると誰もいなかった。「ごめんくださーい」と(これも初めて?)のフレーズを声に出す。すると、奥の方からおばあちゃんが出てきてくれた。なるだけ高カロリーな菓子パンとパイ系の菓子を購入する。時代に流されず、レジ袋有料化に非対応。会計後、軽トラで来たおじいちゃんが入店し、「✕✕あるかね?あると助かるんだが―」と商店のおばあちゃんと話し始める。独自の時が流れるその空間に高印象を持った。

 お店を出ると土砂降り。お店の前で買ったものを食べ、雨宿りをする。お店から出てきたおじいちゃんと少し会話を交わした。おじいちゃんによると、この辺りは最南端に近い集落だけどあまり旅人は来ないらしい。最後に、頑張ってなと激励され、おじいちゃんは去っていった。

 食後、それでも雨脚は弱まらなかった。そこからしばらくして、再びおじいちゃんが登場。「うちの倉庫で雨宿りするか?」と気遣って頂いた。雨雲レーダーで雨脚が弱まる見込みだったので、これは断った。それでもありがたい。予報通りに雨脚が弱まった。タイミングを逃さず、商店を後にした。

突如現れ、めちゃめちゃ応援される(残り10km)

地元の方との交流②

 雨は弱まったため、ゴア(雨具)を着るほどではなかった。海岸線沿いを進む。波風はそれほど強くなかったと記憶している。海辺では、漁師さんが作業している。「これが最南端の日常か〜」などと考えながら先に進んだ。

 道中、サドルバッグのバンジーコードに挟んでいたゴアを落としてしまうハプニングがあった。慌てて引き返そうとすると、後続の軽トラから呼び声が。これ、あんたのだろ!そう言った運転手(先程の漁師さん?)が手に持っていたのは、僕のゴアだった。僕がゴアを落としたのに気づき、後を追ってきてくださったらしい。落としたのに気づいた瞬間は、絶望でしかなかったが、漁師さんに救われた。漁師さんは車をUターンさせ、引き返して行った。僕のためにわざわざ来てくれたのだ。漁師さんのために、恩返しとして何もできないのがもどかしい。

本土最南端!!

 再び走り出す。やはり岬の直前になるとアップダウンが激しくなる。雨が降り出す前に…!!をモチベーションにペダルを回した。

 そして、無事に本土最南端の佐多岬に到達する。(途中でフェリーを使っているが、)東京から5日19時間で走り切ることができた。

地元の方との交流③

 ここでも観光に来ていた男性2人と交流した。霧島でお仕事をしている方であった。出身が埼玉とのことで、会話が弾んだのを覚えている。別れ際、旅の足しにしてな!と5kを手渡してくださった。あまりにも大きな額、震え上がる。しかし、(前回もそうだが)上手い断り方が思い付かない。「いいの!いいの!こう見えておじさん結構お金持ってるからさ!」と財布の中身を見せられ、さらに度肝を抜かれる。複雑ではあったが、有り難く餞別を受け取った。本当にありがとうございました。

日本縦断スタート!

 佐多岬を後にし、国道269号で鹿児島湾沿いに向かう。日本縦断旅のスタートだ。宗谷岬までの案内板を目にし、テンションが上がる。

旅人との交流

 ちょうどお昼時であったので、Aコープ佐多店でお昼休憩。薩摩芋の饅頭的な何かを食べた。ここで、初めて旅人と出会う。宗谷岬を出発し、日本縦断の達成を目前にした方だった。前後パニアのフル装備型クロスバイクで旅をしていた。迫力満点◎ロードも所有しているらしく、自分と同じCanyonに乗っているらしい。一緒に走れる日はいつか来るだろうか。地元の方との交流とは一味違う旅人との交流であった。※後日フォローいただきました。日本縦断の達成おめでとうございます!

薩摩芋の饅頭的な何か

鹿児島湾沿い

 Aコープを後にする。道中、佐多岬でお会いした二人組と再開した。頑張れー!!と動画を撮りながら追い越された。何か新鮮だった。どこかで繋がってあの動画を頂けないかなー笑 行きとは違い、ド平坦な海沿い。漕いでいて気持ちいい。あっという間に垂水市に着いた。垂水から北側の桜島近辺は既に走ったことがあったので、フェリー(垂水フェリー)で割愛。鹿児島市に向かった。

垂水→鹿児島のフェリーより桜島

ナイトラン75

 鹿児島市に到着。コンビニで小休憩を取った。時間は17時を過ぎたあたり。まだ走れるなと狂った頭は考える。鹿児島市を出発し、出水を目指した。ただ、ナイトランなので記憶はほとんどない。銭湯の札止めに間に合うように頑張った。としか覚えていない笑

17時から75km走れるなと考える感覚のバグ

 銭湯(高尾野温泉センターもみじ)の札止めに間に合い、夕飯はコンビニ飯で済ませた。この日の行程はこれにて終了。

まとめ

 この日は大隅半島の真ん中辺りを出発し、佐多岬に到達、出水市まで走行した。道中、様々な人に巡り会い、充実した1日となった。

 数字について整理する。節目の日なので書くこといっぱい笑 

  • 出発から7日目
  • 東京→佐多岬を5日19時間で達成。
  • 9月13日12:00より日本縦断を開始。
  • 1週間で1310kmを走破(1日平均187km)
フェリー前
フェリー後
出発地 目的地 距離 獲得標高 経過時間
7日目 鹿児島県南大隅町 鹿児島県出水市 194km 2771m 約12時間30分
出発から1週間の総走行距離

 今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!次回は、本土最西端の神崎鼻を目指し、熊本・長崎を走行します。次回もお楽しみに〜

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