グラベルもマウンテンも走りたい!自転車1台で両方を叶える方法を考えてみた~Surly Bridge Clubのすゝめ~

いじる系 自転車

グラベルもマウンテンも走りたい!自転車1台で両方を叶える方法を考えてみた~Surly Bridge Clubのすゝめ~

はじめに

 本投稿は、1台のフレームで「近くの山でトレイルランがしたい!」「MTBデビューしたい!」という願望と「流行りのグラベルロードにも乗りたい!」という願望の両方を叶える欲張りなフレームの運用方法について紹介する。別々の自転車を2台買う!というのが手っ取り早い気もする。だが、それでは部屋が狭くなる一方。自転車に包囲されてしまう笑 考えた末、今回紹介する手法に辿り着いた。前提として、ある程度のメカニック知識が必要となる。バラ完で組み直すよりは、予算的にも労力的にも優れる手法を目指した。誰かの参考になれば嬉しい限りだ。

愛機の紹介

 本題に入る前に、今回のフレーム運用方法を実践している愛機について紹介する。モデル名はBridge Club。アメリカのクロモリフレームブランド”Surly“のツーリングモデルだ。僕のゆるゆる系ツーリングを支えた自転車である。2020年2月にフレームで購入し、阿蘇や桜島、奄美大島などを走った。フレームの詳細スペックは、ここから確認して頂きたい。

図1 関東でSurlyと言えば!なBlueLUGにて購入

 僕がBridge Clubのフレームを購入した当初、こだわった点は以下の通りである。

  • フレームで購入(予算10万程度)
  • クロモリである
  • MTB系のフレーム形状である
  • スルーアクスルでない(手持ちのホイールを流用するため)
  • ダボ穴がいっぱい開いている ←ココ重要
  • とにかく色んなカスタムの可能性を秘めている

 こんな条件で探し回っていた結果、Surly Bridge Club に辿り着いたのであった。余談ではあるが、BlueLUGでは+¥3000でカスタムペイント(単色ベタ塗りのみ)ができるのも、購入に踏み切ったきっかけである。自分好みのカスタムペイントが、たった3000円で実現できる。本当にオススメ。僕の場合、黒のフレームセットを購入し、フレームを白、フォークをそのままの色でカスタムペイントを注文した。追加課金でもっとお洒落なカラーリング(メタリックなど)も可能らしい。

 そんなこんなで手に入れたBridge Club。最初の完成車の姿は、別の記事でまとめるとする。

 最初の姿から3回ほどその姿を変え、現在に至る。以下より、本題として現在の運用方法について紹介する。

How to

 さて、本題に入ろう。フレーム1台で2役をこなす方法、一言で言ってしまえば、「コンポーネント(以下、コンポ)を入れ替える」である。だが、通常のコンポ入替えでは、今回想定するケースを満足させることができない。How to 節では、想定するケースの整理、従来の方法の問題点、提案手法の工夫点、メリットデメリット等について記す。

想定するケース

ここでは想定するケースを整理する。今回想定するケースは…

  • グラベルライド・トレイルライドの両方に対応する
  • 1時間以内に準備できる(手軽さの観点)
  • コストはかけたくない(手軽さの観点)
  • フレームは1台のみ(スペース・予算の観点)

 以上を今回想定するケース(以下、本ケース)とする。これらの観点に注意し、提案手法を紹介する。

通常の手法での問題点

 グラベルライドとトレイルラン、どちらも楽しむためには、「簡単に」「手軽に」コンポの入替えができる必要がある。本ケースの場合、通常のコンポ入替えには、問題点が2つある。1つは、再利用不可なパーツが複数発生する点だ。その例として、以下のようなものが考えられる。

  • インナーワイヤー(シフト・ブレーキ)の張り直し
  • 変速・ブレーキ調整
  • 油圧の場合、ブリーディング
  • チェーン(コネクトピン又はミッシングリンクは再利用不可)
  • ドロップハンドルの場合、バーテープの巻き直し etc…

 これらは、数千円の出費である。大きな出費ではない。しかし、今回想定しているのは、毎週あるいは数日でコンポを入れ替えるケースだ。塵も積もれば山となる。最終的には、出費が嵩んでしまう。2つ目の問題点としては、整備の中でも比較的重い作業(ブリーディング・バーテープ巻き直しetc…)が含まれる点が挙げられる。いくらメカニックに慣れているとはいえ、毎週のようにやるには、個人的に腰が重い。

図2 問題点

 上記のように考えた結果、本ケースの場合、従来のコンポ入替えでは、「手軽に」「簡単に」実現はきないと結論づけた。

手軽・簡単なコンポ入替えの提案

 前節では、通常のコンポ入替えで生じる作業の例を挙げた。これらの作業を削減する手法として考えたのが、「ハンドル・ワイヤー類とコンポの接続状態を維持した上でのコンポ入替え」である。言葉ではわかりにくいと思う。そこで本節では、抽象図を使って詳細の解説を記す。

問題点の解消

 通常のコンポ入替えの問題点として、大きく2つを挙げた。これらを解消するためには、ある程度の作業が完了した状態を維持することが解決策となる。作業が完了した状態とは、

  • ①インナーワイヤーを張った状態
  • ②ブリーディングを完了させた状態
  • ③バーテープが巻き終わった状態
  • ④チェーンを接続した状態
  • ⑤変速・ブレーキ調整が完了した状態

といった具合である。

 ここで、完成車状態から、ステムごとハンドルを抜き取ってみよう。その後、フレームから前後ディレイラーとブレーキを切り離す。すると、下の抽象図に示したパーツ群が出来上がる。これは、「①~③の作業が完了した状態」を保持することができる優れた分解方法だ。

図3 パーツ群のイメージ図

 次に、「④チェーンが接続した状態の保持」について考える。通常は、各ディレイラーを外す際にチェーンを切断する。これを切断せずに行いたい。方法は2つある。1つ目はディレイラーを分解する方法だ。フロントディレイラーの場合は、チェーンガイドのねじ締め部1ヶ所(図4)を緩め、分解する。リアディレイラーの場合は、プーリーのねじ締め部2ヶ所(図5)を分解する。2つ目の方法は、そもそもディレイラーを使わない方法である。フロントシングル化、シングルギア化を採用することで実現可能だ。これらの方法によって、「④チェーンが接続した状態」を保持できる。

図4 FDの分解部分(モデルによっては存在しないので注意)
図5 RDの分解部分

 ⑤に関しては、ディレイラーやブレーキ本体を取り外すため、削減できない作業である。必要作業として残すこととした。

提案手法の概要

 ここまでに述べた問題点の解消を実践するため、その運用方法をを抽象図でまとめる。

 その日の用途に合わせ、上図よりパーツ群とフォーク、ホイール、タイヤを選択する。選択したパーツをフレームに取り付けた後、各種調整を行うことで完成車として走り出せるようになる。これにより、グラベルライドとトレイルライドの両方をフレーム1台でより簡単に楽しめる!

提案手法のメリット・デメリット

メリット

  • フレーム1台でグラベルライドとトレイルライドの両方を楽しめる
  • 簡単にコンポを載せ替えられる
  • 比較的経済的
  • 省スペースでの保管が可能

デメリット

  • コンポの互換性に関して慎重にならなければならない
  • それぞれの専用品ほどの性能は発揮できない

いざ、実践

 今節では、提案した運用方法での実際の様子を写真で紹介する。

MTB ver.29er

 まず、マウンテンバイクでの状態。29erなのでなかなかの迫力である。これで実際にトレイルライドを行った。

グラベルロード ver.700C

 次にグラベルライド用に組み替える。その際に、フレームから外したパーツ群は下のようになった。

実際にできたパーツ群

 グラベル用に組み替えた状態が下図である。この状態で近隣の未舗装路(川沿いなど)を走った。ライド中の写真がなかったので、ライド後の優勝コーラの写真を掲載している。

MTB ver.26er

 手持ちの26インチサスペンションとホイールでも組んでみた。

 このバージョンは、29erのパーツ群を流用している。ホイールとサスペンションを変更しただけだ。このように、SurlyBridgeClubは遊び甲斐のあるフレームだ。

今回紹介したフレームの運用方法を実現するための注意点

 提案手法を実現する際に注意点を、思いつく限りで列挙する。見落としがある可能性も否めないので、予め了承願いたい。

フレーム

  • ケーブルがフルアウターである
  • ケーブルが完全外装である
  • ホイール、タイヤのクリアランスに余裕がある
  • エンド規格が共通である
  • チェーンリングのキャパシティに余裕がある
  • ディスクブレーキであると◎

コンポーネント

  • BBシェル幅が同じ
  • フリー(スプロケット)の構造が同じ(10s,11sは注意)
  • チェーン長ができるだけ同じ
  • 9s以上の場合は変速数を共通に

実際の失敗

 僕が、実際に失敗した事例を紹介する。グラベルロード仕様の際、SRAMのAPEXクランクを用いる予定であった。APEXクランクとBridgeclubは、2つの点で相性が悪かった。1つは、BBシェル幅とシャフト長の不適合である。APEXクランクは、強いて言うならロードコンポに該当し、シャフト長が短い。一方、Bridgeclubは、MTB規格のシェル幅73㎜を採用する。結果、シャフト長が足りなかった。もう1つは、チェーンリングのキャパシティーである。今回は、42Tのフロントシングルで組もうと試みた。しかし、Bridgeclubのフロントシングル時のチェーンリングキャパは34Tである。これらをすっかり見落とし、失敗した。

チェーンリングがチェーンステーに干渉
結果、クランクを奥まで差し込めない

 改善策として、フロントシングルのチェーンリングの購入を考えている。クランク交換ではなく、チェーンリング交換を行う。そうすることで、シャフト問題とチェーンリングの干渉問題の双方を解決できる。

まとめ

 今回は、初のメカニック系記事として、グラベルライドとトレイルライドを楽しむためのフレーム運用方法について紹介した。実践する中で多少の面倒さはあるものの、全部を載せ替えるよりは遥かに容易に自転車乗り特性を変化させることに成功している。フレームへの愛着も湧くのでオススメだ。Surly BridgeClub、購入を考えてみてはどうだろうか?

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